コラム

腸閉塞

腸閉塞とは

腸閉塞とは、これまでは別名『イレウス』とも言われていて、腸管が何らかの原因で狭くなったり塞がったりすることによって、食べ物や水分が小腸や大腸を通過できなくなった状態を言います。

原因

食物、異物、癒着、腫瘍などの物理的な原因により腸管が閉塞した状態であり、機械的腸閉塞とも言われます。
このうち手術後の癒着による腸閉塞が最も多く50%以上です。
そのうち腸管の壁への血流障害を伴うものを絞扼性腸閉塞といい、腸管壁へ血液が流れなくなることにより腸管の壊死が起こり、腸管が穿孔し、敗血症や腹膜炎を合併する場合があるため、絞扼性腸閉塞では緊急手術が行われます。
大腸での腸閉塞は小腸での腸閉塞より頻度は少ないのですが、大腸癌が原因であることが多く、特に、高齢者の大腸腸閉塞は要注意です。

一方、神経の障害や炎症(術後の腸管麻痺など)で腸の蠕動運動が障害された状態はイレウス(機能性腸閉塞)と呼ばれます。
以前は機械的腸閉塞も機能的腸閉塞もイレウスないしは腸閉塞と言われていましたが、最近は機械的腸閉塞を腸閉塞、機能的腸閉塞をイレウスと定義し、明確に分けるようになりました(急性腹症診療ガイドライン 2015)。

症状

主な症状は、腹痛、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、便秘やガスの排出困難などです。
腸管壁への血流障害で腸管が壊死して穿孔した場合、腹膜炎を起こし、発熱や血圧低下、全身状態の悪化を起こします。

検査

問診では、腹部手術歴、腹痛の性状(間欠的・持続的)、腹痛が起こる前の食事内容を聞くことが大切です。
また聴診(蠕動音の亢進、消失、金属音聴取)や、圧痛、反跳痛などの身体所見も重要です。

腸閉塞を疑った場合、腹部単純X線検査は簡便な検査であり、ほとんどの腸閉塞を診断することができます。
典型的な画像は小腸のKerckring皺襞の描出や鏡面像(ニボー像)です。
超音波検査も有用で、小腸拡張像、小腸内容物の移動、target sign、psydokidney signを認めると腸閉塞が疑われます。
さらに腸管血流障害の有無や閉塞の部位、閉塞の程度を調べるために造影CTを行います。

治療

治療は、造影CTで腸管の血流が保たれていれば絶食、輸液管理を行います。
腸管内に内容物が多いと腹痛が強い場合が多く、イレウス管(ロングチューブ)を挿入して腸管内に溜まっている腸液を吸引します(減圧)。
それにより症状は緩和し、また、腸閉塞の状態の改善を計ります。

このような保存的治療を行っても腸閉塞状態が改善しない場合や腸管壁への血流が障害を認める腸閉塞は手術を行います。
また、繰り返し腸閉塞になる方にも手術を勧めます。

予防

腸閉塞の原因は多岐にわたるため、一般的な予防法はありません。
癒着性腸閉塞(手術歴がある人)の場合、食事をゆっくりよく噛んで食べる、食べ過ぎない、消化の悪いものや、きのこ類、ごぼうやサツマイモなどの食物繊維の多いものを避ける等の日々の食生活の注意が、腸閉塞の発症予防に有効です。

医療機関: 社会医療法人社団 光仁会 第一病院
連絡先: TEL: 03-3607-0007 / FAX: 03-3609-2260

医師情報

おおかわ たくや

大川 卓也

診療科

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